20090722

コーチングと出会って

ライター・ケイ



四年前「勉強してみない?」と友人から誘われた。


「え?勉強?何の?」

「うん、よくわからないけど、コーチングっていうの」

「へぇー、なに、それ?」


そんなわけのわからないお誘いから始まったコーチングとの出会い。



その頃の私は、視力が徐々に落ちてきて好きな仕事も離れ、家事と育児に追われる毎日を送っていた。
「この先どうなるのかな?」という漠然とした不安を常に抱えていた。
わけのわからないお誘いは、これからの自分の人生にとって新しい世界に繋がる何かを感じさせ、久しぶりに期待感に胸が高鳴っていた。

そんな何の先入観も偏見も持たない状態で始まったコーチングだが、確実に私を元気にさせてくれたと思う。
今から思うとかなりコチコチに乾いた状態で、自分の心を見つめ、何を感じているのかを捉えることがよくできなかった。

自分の弱いところやどうにかしたいなと思っていることをテーマに話していると、

「それはケイさんのすごい強みですね」

と言われ、何だかとっても承認されたように感じ、

「そうか、いいんだ」

と一瞬にしてもやが晴れたようにすっきりと元気になったのを覚えている。


不思議なものだと思う。

コーチは100%私の話に耳を傾けてくれている。
何を話しても受け止めてくれる。
そしてまっすぐな視線で私を見て、私も気付いていない何かをも照らし出し気付かせてくれるのだ。

視覚にハンディを抱えたことで目標や夢、希望といったキラキラしたものが遠くに行ってしまったように感じ、

「どんな時わくわくするの?」

「本当は何 をしたいの?」

などと聞かれても、すぐに反応できなかった。

それほど喪失感も大きく、やりたいことがあってもできないし・・・という枠から離れられず、いつしかやりたいことも、何ができるのかもわからなくなっていたのだと思う。


コーチングに触れていく中で、少しずつ少しずつ本来の自分を取り戻すことができた。
コーチングと出会って私が得た最大のものは、私らしく生きるということ。
本当の自分、何に価値を置いているか、今の自分を形作っている根本を知ることで、

ずいぶんと楽に生きられるようになった。

今は遥か遠くに行ってしまった夢や希望を、もう一度近くに手繰り寄せることができ、
歩いていきたい方向も見えている。
また暗い森の中に迷い込み木々の上からからす天狗が襲ってきたり、突然道をふさぐ大きな岩に出くわしたりするかもしれない。

でも、大丈夫。

どんな深い森も抜け道はあるし、からす天狗は自分が作り出した魔物かもしれないし、どんなに大きな岩がでーんと現れても自分を見失うことはないと思うから。

私が得られた安心感や心地よさをたくさんの人達にも味わってほしいと思う。
そして、コーチがそうしてくださったように、私自信もクライアントさんの足元や目の前、過ぎた昔、遠い未来と照らしていく光でありたいと願っている。


写真の説明:濃い紫色の紫陽花